浮気の念書とは？書かせる事で得られる2つのメリットと書き方

パートナーや彼氏が浮気をしたら、怒りと悲しみ、悔しさで本当につらい思いをしますよね。「もう二度とこんなことをしないで！」と約束し、その約束が確実に守られるのか、また浮気をするのではないかと、疑心暗鬼になるでしょう。結局、彼女が浮気をきっかけに彼を責め、疑うことが増えて、離婚や破局に至ることもあります。そういったことを防ぐために、おすすめしたいのが「念書」を書かせることです。

浮気の念書ってそもそも何？

浮気の念書とは、そもそも何なのでしょうか。「念書」がどういった書類なのかを含め、ご紹介します。

浮気をした事実を認めさせる書類

「念書」とは、後々発言や約束の証拠となるように、念のため書面にしたためたものをいいます。浮気の念書とは、「自分は〇年〇月から〇年〇月にわたり、同じ職場の女性○○さんと浮気をしました。その中で不貞行為も行いました」という、浮気の事実をきちんと明らかにするものです。

さらにその行為によって、パートナーをどのように傷つけてしまったかという反省と、今後二度とこういった不貞行為はしないという誓いを書いてもらいます。

「私はこの度の浮気・不貞行為によって、夫婦の貞操義務違反を犯し、妻（内縁の妻・恋人）である○○さんに非常に悲しい思いをさせ、傷つけました。大変反省しております。今後、二度と浮気・不貞行為といった貞操義務違反は行わないと誓います」といった内容を書いてもらうと良いのではないでしょうか。

今後の浮気をしない事を約束した証拠となる書類

先ほどご紹介した内容の念書であれば、今回の浮気・不貞行為の肯定と同時に、非常に反省し、今後は二度と浮気や不貞行為は行わないということを約束したことになります。パートナーが書いたということを証明するために、日時と名前を書いてもらい、押印や拇印をしてもらうと良いかもしれませんね。

また証拠とするために、できれば両親や兄弟、親しい友人などに立ち会ってもらい、写真も残しておくこと、念書はコピーもとって残しておくことなどもおすすめです。

浮気の念書を作る2つのメリット

念書を作ることには、どんなメリットがあるのでしょうか。浮気の念書を作ることの2つのメリットについてご紹介します。

１．浮気相手と会う事を躊躇させる事ができる

念書を作るためには、旦那や彼氏に浮気に関することをすべて白状してもらうことになります。それは浮気をされた方にとってもつらい作業になりますが、男性にとってもかなり屈辱的な作業です。

しかも、浮気相手についての詳細を、彼女や、立会人になってくれた人々に知られてしまうことになります。同じ浮気相手と浮気を続けることは、非常にリスクが高くなります。

また「私は妻（彼女）を非常に傷つけてしまいました。もう二度と浮気はしません」と誓っているわけですから、また浮気をしようとするとそのことがどうしても頭をよぎるでしょう。そのため、浮気相手と会う時に、躊躇させるためのストッパーになってくれるのです。

２．うまくすると二度と浮気はしない

また、これが初めての浮気だったという男性や、これまで浮気をしてもなあなあで乗り切ってきたという男性にとっては、「念書」という形ある証拠を取られることは大きな衝撃になることでしょう。

もしまた浮気をしたら、今度は弁護士などが登場するかもしれない、浮気を「一時の気の迷い」と軽く見逃してはもらえない、という意識を植え付けられるかもしれません。浮気を「たいしたことじゃない、男なら誰でもやっている」といった軽い気持ちは、この機会にたたき折り、もう二度と浮気をしようとは思わないようくぎを刺すようにしたいですね。

浮気の念書の法的な効果はあるものなのか？

浮気の念書には、法的な効果があるのでしょうか。「浮気の証拠として念書を」ということも多いのですが、実際のところをみてみましょう。

浮気の念書は法的な効果はありません

実は、せっかく書かせることができても、浮気の念書には法的な効果があるわけではないのです。法律上効力を発揮する書類の作成には、法律で定められた決まりがあります。その決まりに従い、書式に従って記入し、作成しなければなりません。そのため、法律のプロではない一般人が作った念書には法的な効果がなく、この念書を裏切って再び浮気をしたところで、なにか罰則を受けるといったことは一切ないのです。

しかし浮気をした本人が前回の浮気・不貞行為があったことを認めていたことや、そのことを念書という形で明示したこと、立会人もそのことを見聞きし、写真や動画などを撮っていることなどは、万一離婚訴訟などに発展した際、証拠となる可能性が高いでしょう。

効果が欲しいなら念書ではなく公正証書を作成する

法的な効果が欲しい場合は、私的な念書ではなく、法的な力を持つ公正証書を作成する必要があります。公正証書は行政書士事務所などに相談して作ってもらうことになります。

法的な力を持つ公正証書の作成には、当然ですがお金がかかります。だいたい1本あたり5万円～が一般的な金額になるようです。念書では不安という方や、もしもう一度浮気をされたら離婚しようと考えている方などは、公正証書で法的効力を持つ証拠を作っておきましょう。

念書や公式証書は金庫などに保管しておく事

念書や公正証書は、のちのち非常に重要な証拠として働く時がやってくるかもしれません。また夫や彼にとっては大きな弱みになります。万一破棄でもされたら大変です。銀行の貸金庫や実家の金庫など、信用がおけて中の書類もしっかり守られる場所に保管し、紛失することのないようにしましょう。

浮気の念書に記述する項目について

浮気の念書には、どんな項目を記入するべきなのか、再度おさらいしておきましょう。いきなり書き始めても、記入漏れなどがあると後々困るかもしれません。しっかり把握してから記入しましょう。

念書を書く人の（パートナー）氏名と住所

まずは、念書を書く人、つまり浮気当事者の氏名と住所を記入します。気持ちとしては殴り書きになってしまうかもしれませんが、なるべく丁寧に、あとできちんと判読できるように書いてもらいましょう。住所も正しく記入してもらいましょう。

念書を書く人の（パートナー）のハンコ

次に、念書を書く人、つまり浮気当事者のハンコ、印鑑を押してもらいます。できれば印鑑は、氏名の最後の文字にかかるように押印してもらいましょう。シャチハタではなく、きちんとした印鑑を押してもらうこと、家庭で共用しているものではない印鑑を選ぶことなどもオススメです。

念書を書く日の年月日

念書を書く日の年月日も重要です。つまり、当日の年月日を、きちんと記しておきましょう。それとは別に、浮気をしていた期間の年月日もわかることなら書いてもらうとより良いでしょう。念書を書くという理由があれば、喧嘩になりそうで聞きにくい細かな事情も聞き出しやすくなります。

浮気した相手の名前と住所と勤務先

浮気をした相手の名前と住所、勤務先などもわかる限り記載させます。実際にマンションなどに行ったことがないので住所が分からないという場合も、勤務先の所属など、できる限りわかっている情報を明記します。

何度浮気したのかなどの細かな内容

次は、浮気をした方にとってもされた方にとってもつらい内容ですが、なぜ浮気をしたのか、何度浮気をしたのか、この相手とはどれくらいの頻度で会っているのか、場所はどこかなど、細かな内容も聞き出しておきます。その際、見つけておいたラブホテルのレシートや、最寄コンビニで購入した避妊具、精力ドリンクなどの領収書があれば、一緒に保管しておきたいですね。

万が一約束を破った場合どうするか

最後に、もう二度と浮気はしないという宣誓をさせます。そしてその誓いを破った時、次はどうするかも話し合って決めましょう。慰謝料を相手に請求し、離婚をして親権はこちらに渡してもらう、もしくは相手だけに慰謝料を請求するが、再婚させないためにも離婚はしないなど、自分の気持ちが済む条件を考えてみましょう。

【まとめ】浮気の念書の効果をよく理解して作成しよう！

浮気の念書には、法的な効果はありません。でも公正証書のような内容できちんと書式を作って書かせるだけで、大きな浮気抑止力を持ちますし、その先浮気をされて離婚を考えた時にも役立つ証拠となる可能性があります。浮気をされたらなんとなく許すのではなく、きちんと一筆念書をとって、自分の心と身を守りましょう。