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離婚の手続きVOL18 離婚にともなう慰謝料と財産分与の相場は実際どうなっている?算定基準と相場について



離婚にともなう慰謝料及び財産分与について取り決めをする場合、具体的な金額をいくらにすればよいかは迷うところです。

そこで今回は、離婚にともなう金額の取り決めの相場について、裁判所の統計を手がかりに見ていきます。

離婚にともなう慰謝料と財産分与の金額については、司法統計が参考になります。

司法統計とは、地方裁判所などの裁判所が取り扱う事件について統計で表したものです。

司法統計からみる金額の相場

日本の裁判所における司法統計については、最高裁判所事務総局が集計を担当しています。

集計した結果については、司法統計年報や司法統計月報として刊行しているほか、裁判所のホームページなどにも掲載されています。

司法統計年報によれば、家庭裁判所において離婚が成立した全体の事件数のうち、慰謝料及び財産分与についての取り決めがある事件の件数は、例年について全体の約半分となっています。

次に、慰謝料及び財産分与についての取り決めがある事件について、慰謝料と財産分与の合計額の平均金額を見てみます。

例として、平成3年の平均金額は約435万円でした。

その後は毎年450万円台に近づいていきますが、バブル崩壊の影響によるものか、平成8年は約404万円、平成9年は382万円、平成10年は380万円と、徐々に金額は下がっています。

以降は、慰謝料を除く財産分与の金額のみについて、階層別の集計数が公表されるように制度が変更されたため、合計額や平均額は不明になりました。

関連するデータを見ていくと、家庭裁判所で成立した離婚件数全体のうち、財産分与(慰謝料を含まない)についての取決めのある事件の件数は、全体の30%パーセント前後となっています。

また、財産分与についての取決めのある離婚事件においては、財産分与の金額が100万円〜600万円のケースが事件全体の40%近くを占めるという結果になっています。

まとめると、財産分与の取り決めがある事件は全体の30%程度しかなく、そのうちの40%近くは金額が多くても600万円ということになります。

裁判所の司法統計を見ると、日本における多くの離婚においては、財産分与などの金銭についての取り決めがあるケースは決して多くなく、また取り決めがある場合の金額も多額ではない、ということが把握できます。

また、離婚にともなう慰謝料や財産分与の金額は、地域によって差があるのも特徴の一つです。

東京などの大都市では金額が高くなる傾向があり、地方においては低くなる傾向があります。

婚姻期間の長さによって金額が変わってくる

次に、婚姻期間と慰謝料及び財産分与の金額の関係を見ていきます。

例として、全国の家庭裁判所の調停や審判によって成立した離婚件数は、平成10年は2万1147件でしたが、慰謝料や財産分与についての取決めがなされたのは全体の約57%の1万2032件でした。

統計による金額は、夫婦の収入、資産、離婚原因などのさまざまな要素がありますが、結婚年数が長いほど金額が高くなる傾向ははっきりしています。

統計においては例年、婚姻期間が9年以上になると全体の平均額を上回ることが多くなっています。

なお、平成12年以降については、慰謝料を含む支払額については統計として公表されなくなったため、財産分与のみを手がかりとすることになります。

その場合でも、 婚姻していた期間が長いほど、離婚にともなって支払われる金額は増加する傾向にあります。

参考例として、平成26年度における全家庭裁判所の財産分与の支払額を掲載します。

婚姻期間総件数取り決めあり総件数100万円以下200万円以下400万円以下600万円以下1000万円以下2000万円以下2000万円を超える総額未定
総数2643183172180113310956498235462661625
6月未満2071912331
6月以上7251216720183319
1年以上1951291177473075223
2年以上190834618762271655143
3年以上168735517087441065231
4年以上1489302135594310121339
5年以上15013591407647161810349
6年以上124230611956431520845
7年以上1100291963646201415262
8年以上9982911043935212110457
9年以上951267803545191311856
10年以上979336885653222412576
11年以上9133256447442726161289
12年以上862281634141212515471
13年以上838288783746163015858
14年以上700248593229172118765
15年以上7812886739273441171053
16年以上68323863303125299744
17年以上612262553326172524874
18年以上594242433130203321757
19年以上5492294024311828171180
20年以上20119271361141401051137741202
25年以上31451704137129216190311237123361
不詳511

引用元:平成26年度司法統計年報 「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件数「財産分与の支払額別婚姻期間別」全家庭裁判所

絶対的な基準はないが目安にはなる


財産分与及び慰謝料の金額については、家庭によって異なる事情を有する夫婦が離婚することにともなって、それぞれの責任の重さを考慮して定めるものです。

金額を決める際には、夫婦の年齢、職業、資産内容、その他個別的な事情等が総合的に考慮されます。

そのため、交通事故の賠償金額のようなある程度の基準を、いわゆる相場として提示することが難しくなっています。

相場がいくらかは単純には算定できないことから、家庭裁判所における平均額もある程度の目安であり、絶対的な基準としてこだわるべきものではないと言えます。

もっとも、家庭裁判所で金額の取り決めをする場合、利害関係のない第三者である調停委員会による関与、調査官による客観的な調査などがあるため、実情と公正さを考慮したうえで行われます。

そのため、慰謝料や財産分与について、 何を基準に取り決めや話し合いをすればよいかわからないときには、家庭裁判所の提示する数字が一応の参考基準になります。

家庭裁判所を利用する場合は、ある程度の目安として役立つだけでなく、いたずらに高額な金額を提示される、泣き寝入りを強いられる、などのトラブルの防止につながります。

例えば、婚姻期間が10年程度の夫婦であれば、300〜500万円程度の金額を一応の目安とし、個別具体的な事情によって金額を調整していけば、無用な争いなどによる弊害を避けることにつながります。

おわりに

離婚にともなう慰謝料及び財産分与についての金額を決める場合、交通事故などに比べて具体的な金額の相場を把握することは難しくなっています。

相場の目安として参考になるのは、裁判所のデータを統計にした司法統計です。

取り決めをする際の大体の金額を把握するのに役立ちます。

一応の金額が把握できたら、具体的な事情を考慮して金額に調整を加えていくと効率的です。

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