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離婚とお金VOL20 姑からのイジメも?離婚で慰謝料を受け取れるケースとその相場について解説

夫婦が離婚をする場合には、少なからずその原因があります。

よく耳にする離婚の原因として、「性格の不一致」や「浮気」が挙げられます。

この点、「性格の不一致」が離婚の原因である場合、どちらか一方にすべての責任を負わせることはできません。

これは、性格の不一致による離婚が、その性質上、どちらか一方が悪い、どちらか一方に責任がある、ということが言い切れないからです。

しかし、「浮気」が離婚の原因である場合には、浮気をした側に責任があることがほとんどであると考えられます。

このように、どちらか一方が離婚の原因を作ったといえるような場合には、その者から慰謝料を取れる可能性があります。

今回の記事では、離婚において慰謝料を取れるケースについて解説していきます。

慰謝料の根拠は?

たとえば、夫の浮気や暴力が離婚の原因である場合には、原因を直接作り出した夫がその責任を負わなければなりません。

このように、離婚の原因を作った夫を有責配偶者といい、その原因となった浮気や暴力を不法行為といいます。

「不法行為」とは、故意もしくは過失によって、他人の権利や利益を侵害する行為のことをいいます。

不法行為により、相手に損害が発生した場合には、その加害者は被害者に対して損害を賠償しなければなりません。

ここでいう損害には、精神的損害も含まれます。

たとえば、誤って人に怪我を負わせてしまった場合、その被害者は、病院で治療をする必要がありますし、怪我の程度によっては、通院であったり、仕事を休んだりすることがあるかもしれません。

この際に必要となる病院の治療費や通院費、休業損害などは、加害者の不法行為によって被害者に発生した損害です。

そのため、加害者は被害者に対して、不法行為に基づく損害賠償責任を負うこととなります。

この点、夫の浮気(不貞行為)や暴力(DV)、程度を超えた嫌がらせ(モラハラ)、ギャンブルなどによる浪費は不法行為にあたり、これらのことが原因となって離婚をするに至った場合、妻が被る精神的損害は計り知れません。

このような場合には、妻は夫の不法行為によって被った精神的損害を根拠として、夫に対して慰謝料を請求することができます。

なお、有責配偶者から慰謝料を請求することができないのはもちろんのこと、夫婦のどちらか一方が離婚の原因を作ったとはいえない場合や夫婦の責任が同等といえるような場合には、慰謝料を請求することはできません。

また、夫婦それぞれに離婚原因があるといえるような場合には、責任が重い方が慰謝料を支払わなければなりません。

慰謝料の根拠は精神的損害を受けたことにある

慰謝料は、あくまで自分が被った精神的苦痛に対する損害賠償を意味します。

そのため、たとえば、家事全般を任せっぱなしで、相談にすら乗ってくれないということが離婚原因となっている場合、精神的苦痛を受けることはあっても、このような行為が慰謝料を請求できるほどの不法行為にあたるとまではいえません。

しかし、このような行為に加え、生活費もろくに渡さないといったような事情があれば、これらの行為により受ける精神的苦痛は相当なものといえるため、不法行為に基づき慰謝料を請求することができるものと考えられます。

離婚原因が姑のいじめにあるケース

離婚の多くは、夫(または妻)が少なからず離婚原因に直接関与していますが、直接の当事者である夫(または妻)ではない別の者が原因となっているケースがあります。

実際に、離婚に関する調停に関し、夫側の申立て理由として、「家族や親族との折り合いの悪さ」が挙げられていることが少なくありません。

たとえば、嫁姑の問題があります。

姑に対する慰謝料請求は可能?

嫁姑の関係が悪くなると、夫婦関係にも少なからず影響を与え、最悪の場合、このことが原因となって離婚に至る場合があります。

具体的には、姑が妻に対して、執拗な嫌がらせをしたり、いじめを働いたりといったケースです。

このような姑の行為は不法行為にあたる可能性があるため、その場合、妻は、姑から受けた精神的損害を根拠として、姑に対して慰謝料を請求することができます。

また、夫が姑と一緒になって妻に嫌がらせをした場合や、いじめを働いていた場合には、妻は夫に対しても慰謝料を請求することができます。

あるいは、姑と一緒になって妻に嫌がらせなどをすることまではしていなくとも、姑の妻に対する嫌がらせやいじめが極めて悪質であり、そのことを夫が認識しているにもかかわらず、特に何らかの対応をとることなく放置していた場合には、妻は夫に対して慰謝料を請求することができます。

不法行為があったことの証拠を確保しておくことが重要

仮に、姑の嫁に対する不法行為が成立する場合であっても、姑が嫁に対して、自分の非を認めて素直に慰謝料を支払うことはまず少ないと考えられます。

そうすると、嫁としては、裁判所を間に入れて、姑に対して慰謝料を請求するほかありません。

この場合に、最も重要となるのが、姑から執拗な嫌がらせやいじめがあったことを証する証拠の有無です。

裁判において、姑に不法行為があったことを主張する際には、当然にそのことを裏付ける証拠が必要です。

いくら熱心に不法行為があったことを裁判所に訴えかけても、その証拠がなければ、裁判所は不法行為があったと認めてくれません。

このように、裁判上で慰謝料の支払いを請求するためには、慰謝料の発生を根拠づける不法行為の事実を証する証拠を準備しておく必要があります。

たとえば、嫌がらせやいじめを受ける都度にそのことを書き記したメモや保存された姑とのメールのやり取り、また、実際に嫌がらせなどを受けている場面を録音したものなどを日頃から準備しておくことが重要です。

過去の裁判例

過去の裁判例には、嫁姑問題が離婚にまで発展したケースにおいて、嫁が姑に対して慰謝料請求を認めたものが少なくありません。

たとえば、嫁姑問題でよく見受けられるものとして、姑が事細かく夫婦生活に皮肉、嫌味を言ってくるケースがあります。

このようなケースにおいて、嫁は夫に再三相談をもちかけ、姑と分かり合おうと歩み寄る姿勢を見せたものの、姑はそのような姿勢に一切応えることがなかったという事例も過去に存在しています。

このような事例について裁判所は、夫婦のいずれにおいても、結婚生活を継続していく意思があること、姑と分かり合う努力をしているにもかかわらず、結婚生活を継続することが困難となるような事態を主導的に引き起こしていること、などを認定したうえで、姑の行為は社会通念上許容されるべき限度を超えた不当な干渉であるとして、嫁から姑に対してなされた慰謝料請求を認めています。

なお、このような姑の行為に夫も一緒になって加担している場合には、姑にかぎらず夫に対する慰謝料請求も認められる可能性が高いといえ、実際にそのような裁判例も存在しています。

慰謝料の相場は?

離婚の原因はともあれ、離婚をする際には、それまでに夫婦で築いた夫婦共有財産を清算しなければならず、これを「財産分与」といいます。

この点、慰謝料請求が不法行為により被った精神的損害の賠償を目的としているのに対し、財産分与は夫婦共有財産の清算を目的としていますので、両者は性格においてまったく異なるものです。

離婚時には、性格が異なるこの両者を合わせて請求することが少なくありません。

慰謝料の金額については、ケースバイケースですが、一般的なサラリーマン家庭で、100万~200万円が一応の目安となります。

この金額は、有責配偶者の悪質性などにより変動しますが、仮に、有責配偶者が極めて悪質であり、それによって他方の配偶者が多大な精神的損害を被ったとしても、700万円が限界だと考えられます。

なぜなら、実際には、1,000万円に相当する被害を受けていたとしても、有責配偶者において支払能力がなければ、そのような多額の慰謝料を認めたとしても、有責配偶者は支払うことができず、その結果、紛争の解決を図ることができないからです。

まとめ

離婚で慰謝料を取れるかどうかは、相手の不法行為によって精神的苦痛を受けたかどうかによります。

離婚をするからには、少なからず離婚に至った原因があります。

どのような経緯で離婚をするに至ったのか、離婚原因を作り出したのは、どちらなのか、といった点をきちんと整理したうえで、相手の行為により精神的苦痛を受けたといえる場合には、その程度に見合った慰謝料を請求することを検討することも大切です。

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