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離婚とお金VOL17 浮気した本人は離婚時に財産分与を受け取れる?慰謝料との関係も解説

財産分与は夫婦が婚姻期間中に築き上げた財産を分配するための制度ですが、不倫などによって離婚の主な原因をつくった有責配偶者であっても、財産分与を請求することは可能でしょうか。

今回は、有責配偶者と財産分与の関係について解説していきます。

財産分与とは

財産分与とは、婚姻生活の中で夫婦で協力して築き上げてきた財産について、夫婦が離婚する場合にそれぞれの貢献度に応じて分配する制度です。

財産分与については法律上は民法768条に規定されています。

離婚の際の財産分与の対象となるのは、基本的には夫婦が婚姻中に築いた一切の財産です。

財産分与の対象となる財産を共有財産といいますが、主な共有財産としては以下のものがあります。

現金や預貯金、株式や国債などの有価証券、土地や建物などの不動産、自動車、家具や電化製品、骨董品や絵画、宝石や着物などの金銭的価値の高い品、ゴルフ会員権、生命保険や損害保険などの保険料、退職金や年金などです。

財産分与には大きく分けて3種類の性質があります。

清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与です。

財産分与の中心となるのは清算的財産分与であり、事案の必要性に応じて扶養的財産分与や慰謝料的財産分与が考慮されるのが一般的です。

清算的財産分与とは

清算的財産分与とは、夫婦が共同で築き上げた財産を、それぞれの貢献度に応じて分配する制度です。

婚姻中に共同で形成した財産であるために、離婚の際には公平に分配する必要があります。

財産分与の対象となるのはあくまで婚姻中に夫婦が共同で築き上げた財産であるため、夫婦の一方が婚姻前から所有していた財産や、婚姻後であっても相続によって得た財産については、財産分与の対象にはなりません。

扶養的財産分与とは

扶養的財産分与とは、離婚後の生活の安定を図るために支払う性質の財産分与です。

離婚によって生活が苦しくなることが予想される側に考慮してなされるもので、離婚前に専業主婦等であった場合に、離婚後に経済的に安定できるまでの期間を援助するという趣向で支給される場合が多くなっています。

扶養的財産分与が認められるためには、請求する側に扶養の必要性があることと、請求される側に扶養に対応するだけの支払い能力があることが重要になります。

慰謝料的財産分与とは

不倫をしたなど、夫婦の一方の有責行為によって離婚に至ったような場合には、もう一方は精神的な苦痛を慰撫するための慰謝料を請求することが一般的に可能ですが、財産分与の際に、実質的な慰謝料の分も含めて金額や支払方法を定めることがあります。

それが慰謝料的財産分与です。

慰謝料と財産分与は本来は別の制度ですが、不倫をしたなどの有責な理由で離婚に至ったにもかかわらず、相手が慰謝料の請求を拒んでいるなどの事情がある場合に、慰謝料的財産分与が考慮されることがあります。

有責配偶者からの財産分与請求

離婚の主な原因をつくった有責配偶者から、財産分与を請求できるかが問題になります。

例えば、パート先で不倫をした妻に対して夫が離婚を要求し、夫に言われるがままに離婚届に判を押したところ、夫名義の預金や不動産が存在するにもかかわらず、不倫をしたのだから受け取る権利はないと夫が主張する場合などです。

この点、不倫などの離婚の主な原因を生じさせた有責配偶者であっても、財産分与を請求することは可能です。

離婚の原因となったにもかかわらず財産を請求できることは不当であるとの考えもありますが、共有財産はあくまで夫婦が協力して築き上げたものであり、それを互いの寄与度に応じて公平に分配するための制度が財産分与です。

そのため、離婚について有責かどうかは、厳密には財産分与とは別の要素と言えます。

慰謝料の請求には注意

注意点として、不倫などで離婚の主な原因をつくった有責配偶者であっても財産分与を請求することは可能ですが、それはあくまで財産分与という制度に限った話です。

不倫をしたこと自体の責任は免れません。

<妻が不倫した場合>

具体的には、不倫をして離婚原因となった事実については、夫から妻に対して慰謝料を請求することが可能です。

慰謝料請求について裁判等になった場合には、よほどの事情がない限りは基本的には慰謝料を支払わなければならないことになります。

もっとも、受け取る財産分与と支払う慰謝料を比較した場合、財産分与の金額の方が慰謝料の金額よりも高額になるのが一般的なので、慰謝料を請求されることを覚悟してでも財産分与を受け取った方が基本的に得、ということになります。

おわりに

財産分与は夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産について、それぞれの寄与度に応じて分配するための制度です。

不倫などをしたことで離婚の主な原因となった有責配偶者であっても、財産分与を請求することは可能です。

一方、夫婦の財産を分配するための制度である財産分与は認められても、不倫をされた相手から慰謝料を請求されることは免れません。

もっとも、慰謝料と財産分与では基本的に財産分与のほうが金額が高くなるため、慰謝料を支払ってでも財産分与を請求することには意味があります。

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