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提出前に確認しておこう 正しい離婚届の書き方

一生涯の愛を誓ったはずの唯一無二の配偶者。しかし、人間とは心変わりする生き物です。元々は赤の他人であった配偶者と家族になり一緒に暮らしていくにつれて、小さなことから大きなものまで相手に不満を持つことは珍しくないと思います。すったもんだの結果、配偶者と家族であることを正式にやめる場合、離婚手続きが必要になります。

今回は離婚手続きの中でも大きな効力をもつ離婚届の書き方をご紹介いたします。

離婚とは

そもそも離婚とはどのようなものなのでしょうか?離婚をお考えの方にとっては愚問かもしれませんが、離婚を決意する前に一度確認していただきたいです。

離婚とは、今まで法律的に家族となっていた配偶者と再び赤の他人に戻ることです。それに伴って基本的には一緒に住むことはなくなるでしょう。

お子様がいらっしゃる場合には今後の親権者等を決めたり、結婚生活中に手に入れた財産があればそれを分け合ったりします。もしも離婚に至った原因が配偶者に責任があるような場合、離婚時に慰謝料を請求することも考えられます。

離婚の成立

離婚をするためには大きく分けて3つの方法があります。話し合いで離婚を決める協議離婚、調停で離婚を成立させる調停離婚、裁判所に離婚について判断してもらう裁判離婚です。

原則として、どの手続きで離婚が決まったとしても離婚届を役所に提出する必要があります。「顔もみたくない!」として例えばご実家に戻られたりホテルで生活したり、物理的に配偶者と離れるだけでは正式に離婚されたとはみられないでしょう。

事前準備

離婚をする前の準備として、後々のトラブルを防ぐために離婚する養育費や慰謝料といった条件を決めることが考えられます。離婚後もやり取りが必要であることについては公正証書等の書面にすると有効です。
離婚後の住まいや仕事、お子様の保育環境等も事前に考えておくとスムーズに進むでしょう。

離婚届とは

離婚の手続きにおいて離婚届が肝である、といっても過言ではありません。離婚を考えている皆様はほとんどの方が結婚届を作成したことがあると思います。

結婚は赤の他人が男女2人の意思で家族になることを決めて、原則として役所に2人が作成した有効な婚姻届を提出することによって成立しました。離婚する場合にも届が必要になりますが、そちらが離婚届です。有効な離婚届を役所に提出することにより、家族であった夫婦が赤の他人に戻ることになるのです。

離婚届の入手方法

離婚届を入手する方法として一般的に考えられることは、役所等に自ら出向いて受け取る方法、役所に郵送で送ってもらうように請求する方法、そしてインターネット上からダウンロードする方法です。
例えば札幌市役所は離婚届をダウンロードできます。

引用元:北海道札幌市役所
http://www3.city.sapporo.jp/download/shinsei/procedure/00334_pdf/presen_00334_000.pdf
こちらを指定された大きさ(A3サイズ)でプリントアウトして札幌市以外のインターネットからダウンロードをした離婚届の受理を認めている他の自治体に提出することができます。

しかし、その自治体が作成した離婚届とレイアウトが全く同じかといえばそうではありません。自治体によって異なることもあります。
また、自治体によっては扱いが異なることがあり、離婚届のダウンロードを準備している自治体は多くはありません。

引用元:東京都目黒区役所
http://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/tetsuduki/koseki/kosekitodokede/rikon.html
東京都目黒区はホームページに記載しているように「戸籍の届書は、法律により長期の保存期間が義務付けられています。保存に耐えられる丈夫な用紙や印刷が必要となるため、ホームページからの用紙のダウンロードには対応しておりません。」と考えている様です。

同様に、個人がダウンロードした離婚届は受け付けない自治体もあります。離婚届を受取りに出向く、または離婚届を提出する前に、その役所での離婚届に関する扱いがどのようなものであるか確認することをおすすめします。

実は、離婚届は自治体が作成したものでなくても様式が合法であれば有効なものとして認められます。キャラクターなどでデザインされた結婚届というものが巷を賑わせましたが、現在は離婚届も割れたハートなどでデザインされているものも販売されています。離婚というシリアスなシーンでユニークな離婚届が提出されたとしても、法律上離婚届としての様式があっていれば原則として受理されるでしょう。

離婚届を記入すべき人


離婚届を入手したら作成にかかることができます。調停離婚と裁判離婚では、一方の署名捺印なしで作成することができます。通常必要とされる証人の記入も必要ありません。

裁判所を介さずに夫婦の話し合いで決められた協議離婚の場合には、原則として夫婦の両方が署名押印する必要があります。そして、原則として離婚の事実を知っている成人2人が証人として署名押印をすることが必要になります。
夫婦の離婚の意思が固いことを示すために、その夫婦のほかに物事を判断することのできる成人2人の証人が求められています。

離婚届の書き方

引用元:茨城県守谷市役所
https://www.city.moriya.ibaraki.jp/kurashi/kosekijyumininnkann/kosekitodokede/rikonntodoke.files/kyougirikonn.pdf

上記は茨城県守谷市が公表している離婚届の記入例です。こちらに沿って確認していきます。

共通して記載する内容

離婚届を作成する際に、提出する日付、夫婦の現在の氏名と生年月日と住所、世帯主、夫婦の本籍とそれぞれの両親の名前と続き柄、同居の期間、そして、左一番下にある夫婦それぞれの署名捺印の記入をします。最後の署名捺印は当事者が自署でする必要があります。裁判所が介されている場合にはどちらか一方の記載で足りることがありますが、基本的にみなさんが記入する部分です。

離婚の種別」

離婚の方法によって記載内容が異なるのは離婚の種別です。裁判所を介さずに夫婦の話し合いで離婚をする場合には「協議離婚」をチェックします。

調停で離婚を決めた場合には「調停」をチェックし、成立した日付を記載します。
夫婦が離婚自体には賛成しているもののお互いの条件のささいな違いがあるためだけに調停が成立しなかったといった場合で家庭裁判所が離婚を認めるべきと判断すれば、職権で離婚の審判がなされます。この場合には「審判」をチェックし、確定した日付を記載します。
離婚裁判になったものの、裁判の途中で当事者が離婚やその条件についてお互いに歩み寄り納得をしたために裁判をやめた場合には「和解」をチェックし、成立した日付を記載します。当事者間で争っていたが、裁判にならずに和解をして離婚をする場合には「協議離婚」を選択します。裁判所が関わっていない和解の場合には選びません。

初めは裁判としてお互いの主張を譲らなかった夫婦が、被告(裁判を起こされた方)が原告(裁判を起こした方)の言い分を全部受け入れることによって裁判を終了させた場合には「請求の認諾」をチェックし、認諾した日付を記載します。こちらも裁判所が関わっていない認諾の場合には選びません。

離婚裁判中夫婦が主張を譲らなかった場合、裁判所が最終的に離婚するか否か、その条件などを決めます。この場合、「判決」をチェックし、確定した日付を記載します。

「婚姻前の氏にもどる者の本籍」

現在の民法に従えば、他人である男女が結婚する場合、名字を男女どちらかのものにする必要があります。夫婦になる男女の一方が今までずっと使用した馴染みのある自分の名字を名乗れなくなり、他人であった2人の戸籍が作られました。

さて、それでは離婚をするとなった場合、「もうあの人と家族ではないのだから、自分の親兄弟と同じ名字に戻りたい。」と思うことがあるかもしれません。その場合には、結婚時に名字をかえた夫か妻のいずれかにチェックをします。そして、もしご両親の戸籍に戻りたいと思えば「もとの戸籍にもどる」をチェックすれば結婚前の戸籍にもどることができます。なお、ご両親が亡くなっている等、既に結婚前にいた戸籍が除籍されているような場合には、当然もどることはできません。

ただし、3代、つまり親、子、孫を同じ戸籍にすることは認められていません。そのために、離婚後お子さんと同じ戸籍をつくる予定がある場合には「新しい戸籍をつくる」を選択すべきです。もちろん、お子様がいない場合でもこちらの選択をして自分だけの戸籍を作ることも可能です。

上記いずれの場合でも、本籍を記載する必要があります。「もとの戸籍にもどる」場合にはその本籍を、「新しい戸籍をつくる」場合には、自分が本籍として設定したい住所を記載します。本籍地は実在する地番であれば日本国内どこでも設定することができます。

例えば皇居等が人気なようですが、戸籍を取得したいときは本籍地を管理する役所に求めることになるので、お住まいの場所からあまり遠いと不便になることもお考えになる必要があるかもしれません。
筆頭者の欄には、「もとの戸籍にもどる」場合にはその筆頭者を、「新しい戸籍をつくる」場合には、原則として戸籍をつくる方の名前を記入します。

一方で、結婚時に名乗っていた名字をかえることに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。職場でわざわざ事情説明したくなかったり、お子様の名字が変わってしまうことによって不安があったり、ご事情は様々です。

通称を使用するという方法もありますが、離婚の際に称していた氏を称する届を役所に提出する手続きをすることによって、離婚後もそのまま元は相手のものであった名字を使用し続けることができます。その手続きをする場合にはこちらを空欄にします。

「未成年の子の氏名」

お子様がいる場合、離婚前に今後夫婦のどちらが親権を行うかを決める必要があります。親権とは、子どもやその財産を管理して、法律上の代理人として子どもを守る権利と義務のことをいいます。こちらには親権を今後行う夫か妻の欄にお子様の氏名を記載します。

「別居する前の住所」

こちらには夫婦として共同生活をしていた住所を記入しますが、もしも現在も家庭内別居等であっても住所を共にしている場合には空欄になります。

「別居する前の世帯の主な仕事と夫婦の職業」

結婚生活の家計の主な収入となっていた夫婦のいずれかの職業をチェックし、「夫の職業」、「妻の職業」をそれぞれ記入します。なお、こちらは5年に1回の国勢調査の時のみ記入が必要になりますので、該当しない年には記入しなくて構いません。

その他

夫婦のいずれか、もしくは両方に養父母がいる場合にはこちらに養父母の氏名と続き柄を記入します。

証人

離婚届を記入すべき人」でも少し触れましたが、離婚届の記入者は夫婦2人だけでは足りません。また、証人が求められている離婚は協議離婚のみです。現在では20歳以上の離婚の事実を知っている人が証人として求められています。
こちらは離婚届に証人の自署が必要なため、20歳以上の方であっても文字を自分で書くことができない方は証人になることは難しいかもしれません。

婚姻届と異なり、親や友達等自分と親しい人に証人を頼むことは気が引けることがあるかもしれません。離婚手続きについて専門家に相談している場合にはそちらにお願いすると対応してくれる可能性もありますが、どうしても頼める相手がない場合には、離婚届の証人として記載をするサービスを提供しているところもあるようです。

子の親権を筆頭者以外が持つ場合

離婚届の記入内容」の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」で触れたように、結婚時に筆頭者としていない夫婦の一方は離婚後には結婚前の元の戸籍にもどるか、新しい戸籍を作成することを選択しました。

例えば結婚時に夫が筆頭者となり、その後その戸籍にお子様が生まれるとします。ここにいるお子様は両親の離婚時に原則として元々の戸籍に残ります。離婚後は母が親権者となるような場合でも、お子様の戸籍はそのままでも法律的に問題はありません。

しかし、母が名字を旧姓に戻した場合には子どもと名字が異なることになりますし、母が再婚する場合、子どもは前夫の戸籍に入っていることによって新しい夫の養子にしたい場合にも手続きが複雑になります。

また、夫は同じ戸籍の子どもの現住所を戸籍の附票によって知ることができるので、完全に夫から離れたくて離婚した場合にはデメリットとなり得ます。
結婚時の戸籍から子どもも一緒に新しい戸籍に移したい場合には、裁判所へ子の氏の変更許可を申立て、その後役所にて入籍手続きをします。

必要書類


離婚届を役所に提出する際に必要な書類として、離婚届、身分証明書があげられます。役所で訂正することのできる誤りを指摘された場合に備えて、離婚届に捺印した印鑑があればその場で訂正することができます。

夫婦の本籍地以外の役所に提出する場合には戸籍謄本が必要になります。裁判所を介した離婚であれば裁判所から受け取った謄本も必要になります。離婚の際に称していた氏を称する届等、それぞれ提出すべき書類もあります。

まとめ

家族であった夫婦が、結婚生活中に築いたお子様、不動産、財産、その他のたくさんの思い出。こちらを全て分けて、もしくは処分して、夫婦はまた他人へと戻ります。

「離婚は結婚の100倍大変!」と離婚手続きを経験された方は感じることがあるようです。基本的に結婚は結婚届を1枚提出すれば認められますが、離婚は離婚届を1枚提出するだけでは完結しないと感じるからではないでしょうか。
離婚をするか否か、そして今まで築いてきた全てをどのようにわけるのか、こちらは離婚届を提出する前に必ず確認していただきたいです。明るい未来が開くことをお祈りしております。

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