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モラハラは離婚の理由になる?知っておきたいポイントについて

モラハラとはモラルハラスメントという言葉の略ですが、最近ではすっかり一般用語として定着してきました。ハラスメントに対する人々の人権意識の高まりのひとつともいえるでしょう。

モラハラを続けるような配偶者と一緒に暮らすのは誰にとっても苦痛ですので、モラハラに悩まれている方の中には、モラハラを理由として離婚できないかと考えておられる方もいるでしょう。

それでは、モラハラで離婚できる場合とはどのようなケースで、どのような手順を踏むことになるのでしょうか。この記事では、モラハラによる離婚について解説します。

モラルハラスメントとはどのような行為?

モラルハラスメントとは、倫理に反した嫌がらせという意味になりますが、被害者に対して精神的に虐待するような言動をいいます。精神的な嫌がらせとは、個人の感受性にもよりますが、以下のような行為が繰り返される場合は、モラハラに該当すると考えたほうがよいでしょう。

相手を否定する暴言をいう

相手の人格、容姿、能力などを否定するような暴言をいい、言葉により精神的にダメージを与える行為をいいます。例えば、だめな人間だとか、頭が悪いとか、貶めるような発言を繰り返すことで、相手の精神をじょじょに参らせていきます。

暴言には全く根拠がないこともあります。例えば、妻が作った料理が普通の人が美味しいと感じるレベルであっても、まずくて食べられないというようなことをいったりします。

こうした暴言に対して猛然と反発でき、言い負かせるような強さがある人ばかりとは限りません。言われ続けているうちに、だんだん自分が悪いのかもしれないと自信をなくし、落ち込んでいってしまう被害者もいるのです。

このようなことを言われ続けると、だんだんと自分でも自信がなくなって、本当に、1人で何もできない人間になってしまうのです。

相手のミスを攻撃する

生活の中で誰でも犯すようなミスについて、配偶者を執拗かつ不必要に強いトーンで責め立てるようなケースもあります。例えば、頼まれたものを間違えて購入したりしただけで、モラハラをする配偶者は不必要に文句をいいます。何度も蒸し返したり、何日にもわたりいやみをいうようなこともあります。

妻の言動を制限する

人間は社会の中で、人と関わってこそいきいきと幸せに暮らすことができます。ところが、モラハラをする配偶者は、相手が自分のコントロールできない場所にいくことを嫌がったり、または単なる嫌がらせなどで、相手が実家にいったり友人と交流することを制限したりします。

メールやスケジュールを細かくチェックし、相手が無断で外出しようものならば、怒り狂うということもあるようです。

モラハラをする人の特徴

配偶者の前では自信過剰

モラハラは、家庭内で弱者と強者の関係をつくりだすことにより生まれるので、加害者は被害者の前では自信満々にふるまい、傲慢な態度をとります。たとえ、加害者が間違ったことをしたとしても、非は決して認めずに相手のせいにしてくることも多いです。

外ではモラハラを隠す

モラハラの加害者は、内面では自信がないので、自分にさからわない配偶者のみには暴言を吐きますが、外では至ってまともな常識人を装うケースも多いようです。そのため、モラハラが明るみにでて離婚になったあとに、廻りの人があの人がまさかと驚くような例も多いです。

また、モラハラを相手にばらされて自分が不利になることを避けるために、わざと相手の悪口をいい、さも自分が被害者のようにふるまって、相手を孤立させようとします。

どのようなことがあっても、絶対に間違いを認めません。
時には、妻が家事をしないと嘘をつくために、わざとしわだらけのワイシャツをきて外出するというような手のこんだモラハラ夫もいるようです。

実は情緒不安定

配偶者という自分に最も近しい人にハラスメントを繰り返すような人は、実はアダルトチルドレンで、幼少期に親から虐待を受けていて何らかの精神的トラウマをかかえているような場合もあります。情緒が不安定なので、烈火のごとく配偶者に怒りをぶつけたと思えば、急にあやまってくるような場合もあります。また、自信がないので、唯一自分をさらけだすことのできる配偶者に異常に固執することもあります。

モラハラを理由とした離婚

上記のモラハラやモラハラをする人の特徴を読んで、当てはまると思われる方もいらっしゃったことでしょう。モラハラが続き自分らしく生きていけないのであれば、思い切って離婚をすることが幸せの近道かもしれません。

ところで、日本の民法では、基本的には両当事者が合意していなければ離婚することができません。モラハラをする人は相手に執着していることが多いので、離婚に応じてくれないこともあるでしょう。それでは、相手が離婚したがっていなくても、モラハラを理由として、強制的に離婚することは可能なのでしょうか?

結論からいうと、可能な場合と不可能な場合があります。上述のように、基本的には離婚は相手方の同意が必要なので、単純に性格があわない、相性が悪い、愛がさめたというような抽象的な理由だけでは、一方的に離婚することはできません。

しかしながら、法定離婚原因という5つの原因が民法上定まっており、これに該当することを立証すれば、例外的に相手が同意していなくても離婚できるのです。

法定離婚原因とは、不貞、悪意の遺棄、生死不明などを指しますが、民法770条1項5号に「その他婚姻を継続しがたい重大な理由」という包括的な定めがあり、モラハラなどのドメスティックバイオレンスはこれにあたる可能性があります。

そうはいっても、ただの夫婦喧嘩についてこれが認められるわけではなく、客観的に見てモラハラといえる嫌がらせで、しかも頻度や程度が重大であり、これを第三者である裁判所に証拠として示せる場合にのみ認められるといってよいでしょう。

モラハラで離婚するためには証拠集めが大切

モラハラは多くの場合、家庭内という密室で行われることが多いので、意識して証拠を集めておかなければ、裁判の場で、加害者がそんな嫌がらせはしていないと否定されてしまえば、離婚できなくなってしまいます。そのため、モラハラを受けていて離婚したいと考え始めた場合は、用意周到に証拠を準備しはじめておくことが必要です。

具体的には、モラハラをされたときの内容、場所、時期、周囲にどんな人がいたか、経緯ますので、モラハラをされた直後に忘れずに記録しておきましょう。

また、モラハラをされている様子を、録音録画できるのであれば、より客観的な証拠として強力なアピールになるでしょう。しかし、モラハラをする人は、相手が証拠収集をしているところをみると逆上して、より激しいモラハラに走ったり、最悪の場合は有形力の行使として暴力を振るったりする可能性も否定できないので、気が付かれないように慎重に行いましょう。

モラハラをされているところを目撃している人がいれば、裁判になったら証人として証言してほしい旨をあらかじめ頼んでおいてもよいかもしれません。

きちんとした証拠があれば、モラハラをした加害者が調停や裁判でしらをきったとしても、余裕をもって主張をすることができます。

モラハラで離婚するための具体的なプロセス

まずは話し合いをする

相手が任意で離婚に応じてくれるのであれば、時間やお金をかけて調停や裁判をする必要はありませんので、まずは夫婦で話し合いをしましょう。

相手は寝耳に水のこともあれば自覚症状がある場合もありますが、上述したような証拠を示し、つとめて冷静に話し合うようにしましょう。離婚に応じてくれない場合や、離婚自体は応じてくれるが、財産分与、親権、慰謝料など離婚の条件で合意ができないのであれば、離婚調停に進むということになります。

なお、相手から引き止められたり嫌がらせを受けたりすることを避けるために、離婚の意思が固いのであれば、離婚を切り出すタイミングごろに別居しておくこともよいでしょう。

その場合、別居中でも離婚成立までは、収入が多い配偶者は、そうでない配偶者を養う義務があり、それを婚姻費用負担といいます。婚姻費用をもらいながら、これまで専業主婦だった人は働きはじめるなど、離婚の準備をしておきましょう。

当事者同士の話し合いの延長で、弁護士を通しての話し合いに早めに切り替えておくことも一つです。離婚問題は男女関係という理屈では割り切れない問題のひとつですし、長年モラハラを受けている被害者は洗脳されている傾向にあるので、加害者に言い負かされてしまう可能性もあります。
これは一筋縄では以下なそうだと判断したら、早めに離婚案件の取り扱い件数の多い弁護士に依頼して、示談交渉をしてもらいましょう。弁護士は一般の人よりも交渉術にもたけていますし、過去の離婚の示談の経験から妥当な解決策の提案も上手ですので、本人がやるよりも早期かつ有利に問題を解決してもらえる可能性があります。

離婚調停をする

当事者協議がうまくいかない場合は、家庭裁判所に対して離婚調停を申立てます。モラルハラスメントを受けて離婚したいと考えている被害者が申立人となり、加害者が相手方となって、夫婦関係調整調停という手続きが行われます。

調停では、通常男女1人ずつの調停員が、交互に申立人と相手方を呼んでそれぞれの言い分を聞きます。当事者同士が顔を合わせないように待合室の位置も考慮されますし、相手方の言い分を冷静かつ公平に調停員が通訳して伝えてくれるので、当事者同士の協議ではうまく妥結できなくても、調停ではまとまるということもります。

調停と裁判の違いは、調停はあくまで当事者間の話し合いの延長ですので、調停員が離婚するかしないかの判断をくだすことはできません。しかし、調停の中で決まった離婚や離婚の条件は調停調書に記されますので、あとから気が変わったとして結論をひるがえすということはできなくなります。

法的拘束力がないので、いきなり裁判で早く解決したいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、日本では調停前置主義がとられていますので、裁判を起こすためには調停で不成立になる必要があります。

また、調停員のコメントは拘束力がないとはいえ、有識者である調停員から家庭裁判所内でいわれる言葉には重みがあります。そのため、この調停の場でも、モラルハラスメントの証拠をきちんと示して、調停員を味方につけて、相手を説得してもらえるようにしたいところです。

なお、上述の婚姻費用ですが、任意に支払ってくれていない場合は、夫婦関係調整調停と同時に、婚姻費用分担調停を同時に申し立てることをおすすめします。
調停には拘束力はありませんが、婚姻費用分担は法的な義務ですので、調停で相手方が支払いを同意しなければ、審判に移行して、強制的に婚姻費用の支払が命じられます。相手としても、生活費を数万円ずっと払い続けるのは負担ですので、早期に離婚に同意してくれる可能性もあります。

離婚裁判をする

残念ながら、夫婦関係調整調停をしても相手が離婚に応じない場合は、最終的な解決として離婚訴訟を提起することとなります。日本はあまり訴訟文化の国ではないので、離婚裁判までいって離婚する確率は、全体の1%といわれています。

日本では三審制はとられていますので、下級裁判所の判決に不服の場合は、一応は最高裁に上告までの道があります。しかし、最高裁は法律審といって、判決に憲法違反や重大な人権違反がない限りは審査をしませんので、離婚訴訟の場合は、事実上高裁の判決で結論がでることになります。

民事裁判では、当事者が主張した証拠のみが審理されますので、ここでも収集しておいたモラルハラスメントの証拠をいかに効果的に提出して、裁判官に離婚を認めるのが妥当な結論だという心証を与えられるかにかかっています。
裁判手続きは、民事訴訟法等の法律知識や専門的テクニックも必要ですので、多くの人が弁護士に代理を依頼すると思いますが、弁護士選びにあたっては、こうした裁判官の説得がうまい離婚案件になれた弁護士を選ぶことが大切です。

離婚裁判で離婚の判決が確定すると、相手が同意していなくても、その判決の謄本によって離婚が成立することになります。

モラハラの慰謝料

モラハラは被害者に精神的な損害を与える行為ですので、慰謝料を請求できる可能性もあります。民法709条は、故意過失により他人の生命・身体・財産に損害を与えた者はその損害を賠償する責任を負うとしており、さらに710条はその損害とは財産的損害に限られないとしています。

つまり、モラハラ被害のように精神的な損害についても、損害賠償による金銭補償の対象であると認めているのです。
しかし、精神的損害については個人の感じ方もあるので、裁判官などの第三者が見てもひどいと感じる程度の重度のモラハラでなければ、慰謝料請求をすることはできません。モラハラにより離婚が判決により認められるようなケースであれば、ある程度ひどいモラハラであることが認定されているので、慰謝料がもらえるパターンも多いでしょう。

モラハラによる慰謝料は50万円~100万円程度が相場ですが、仮に不倫などのほかの不法行為が絡んでいる場合は、もう少し高く認められることもあります。

離婚にあたって決定しておくべきこと

モラハラによって離婚する場合も、他の理由で離婚する場合と同様、①未成年の子供がいる場合は親権、②財産分与をどうするか、を決める必要があります。

モラハラをするような加害者には当然親権は渡したくないし、財産分与も多くもらえて当然だと思ってしまいがちですが、親権や財産分与は、離婚原因としてどちらに非があるかということとは関係しません。

親権については、どちらが親権をもったほうが子供が幸せになる可能性が高いか、ということで決定されますし、財産分与については夫婦が婚姻関係中に共同で築いた財産はすべて共有として基本的には半分ずつに分けられることになります。

もっとも、モラハラが子供にも及んでいたような場合は、親権者としても不適格であると判断されて、被害者の側が親権を勝ち取れるケースも多いでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。モラハラは肉体的な暴力とは違い、なかなか他人からはわかってもらいづらいところですが、長くモラハラを受けることで鬱病になってしまう方もいますし、決して軽視してよいものではありません。

モラハラに悩まれている方は一度、離婚案件と取り扱い数が豊富な弁護士に相談してみましょう。適切な証拠を収集し、良い弁護士に依頼することで、モラハラ被害を原因とした離婚を勝ち取り、さらに慰謝料を受取ることが出来る可能性もあります。

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