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住宅ローンは養育費の額にどう影響する?算定表との関係

住宅ローンは養育費の額にどう影響する?

この記事でわかること

  • 養育費と住居費の関係
  • 住宅ローンがある場合の養育費の相場
  • 住宅ローンがある場合の養育費の減額方法

離婚をする際、子供がいる場合には養育費の問題が出てきます。多くの場合、子供が未成年もしくは学生で経済的に自立していない場合に、子供が自立するまで養育費が支払われることになります。

養育費を支払う側が住宅ローンを支払っている場合は、養育費が減額される場合があります。

この記事では、住宅ローンが養育費にどの程度影響があるのかを、具体例をあげて解説していきます。

離婚後に住宅ローンが残る予定の方は、養育費と住宅ローンの関係を知っておくと、養育費の計算や離婚後の生活設計がしやすくなるでしょう。

養育費の決定方法

養育費を決める際、必ずこの金額にしなければならないという規定はなく、夫婦で話し合い、双方が納得する金額に決定すれば問題ありませんが、養育費の相場というものがあります。

養育費・婚姻費用算定表が、裁判所のホームページにて公開されており、この算定表を参考にして養育費を決めることができます。

しかし、最近はこの算定表から算出した養育費が低いため、納得いかないという方も多く、支払ってもらう側が養育費をあまりもらえず貧困に陥ってしまうおそれから、今までの算定表から1.5倍になる新たな算定方式が日本弁護士連合会より発表されています。

養育費には住居費が含まれている

養育費は、住居費を含めて決められていることが多く、算定表の養育費は次のように計算されています。

まず、夫婦それぞれの収入から生活に必要な費用を差し引きます。

ここで差し引く費用は、統計データをもとにあらかじめ決められた金額となります。

そして、収入から生活に必要な費用を差し引いた金額は、自由に使用できるお金となります。

この自由に使用できるお金を、離婚後のお互いの家庭状況に応じて割り当てることになります。

収入から差し引く生活に必要な費用は、家賃のような住居関係の費用も含まれており、夫婦のどちらも自分で家賃を払っているという前提で考えられています。

例えば、離婚後に妻の住む家の住宅ローンや家賃を夫が支払っている場合、住宅ローンや家賃の相当額が妻の利益となります。

住宅ローンや家賃がある場合の養育費の減額方法

夫が養育費を支払う側である場合、妻子が住む家のローンや家賃も支払う必要があるのでしょうか。

妻の家賃や住宅ローンを支払う必要があるのは、妻子が住んでいる家の賃貸借契約や住宅ローンの名義が、夫である場合です。

つまり、契約名義が夫であれば、妻子が住んでいても夫が名義人であるため、夫に支払い義務があるのです。

そのため、家の賃貸借契約等が夫名義であれば、妻子は家賃等を気にせずに住み続けることができます。

しかし、夫名義の家に妻子が住み続ける場合、ローンや家賃の支払いが滞納されるとトラブルになりますので、しっかりと支払ってもらうようにすることが重要です。

住宅ローンや家賃と養育費の関係

養育費が支払われる目的は、子供のためです。

そのため、住宅ローンや家賃がある場合に、それを理由として養育費をゼロにすることは認められにくいと考えられます。

一方で、住宅ローンや家賃がある場合に養育費を下げてもらえる可能性があり、そのためには、年収に大きな変動があったなどの事情が必要になります。

養育費を下げてもらいたいと考えた場合には、まずは養育費を支払う相手に相談し、相手方が養育費の減額に合意しない場合には、調停を申し立てて解決を目指します。

住宅ローンがある場合の養育費の計算方法と算定表

ここでは、次のケースでの養育費の計算方法についてご説明します。

  • ・養育費を支払う側が、養育費を支払ってもらう側の住居の住宅ローンを負担している場合
  • ・養育費を支払う側の住居の住宅ローンを、養育費を支払う側自身が負担している場合
  • ・養育費を支払う側が、養育費を支払ってもらう側の住居の家賃を負担している場合

養育費を支払う側が住宅ローンを支払っている場合

養育費を支払う側が住宅ローンを支払っている場合

養育費を支払う側が、養育費を支払ってもらう側が住んでいる家のローンを支払っている場合の養育費の算定についてご説明します。

原則として、養育費を支払う側が住宅ローンを支払っているという事情が考慮されることになります。

算定表は、養育費を支払ってもらう側の住宅ローンを考慮して算出されていますが、養育費を支払ってもらう側には住宅ローンの負担がなく、養育費を支払う側に住宅ローンの負担があるため、その調整が必要となります。

この場合の計算方法は、次の2つのパターンが主に利用されています。

  • ・養育費を支払う側の基礎年収を計算する時に考慮する方法
  • ・算定表の金額から住宅ローン相当額を差し引く方法

このうち、「算定表の金額から住宅ローン相当額を差し引く方法」について、夫が養育費を支払う側、妻が養育費を支払ってもらう側である場合を例に、具体的に説明します。

妻が年収300万円、夫が年収1,100万円で、10歳の子供が1人いる場合には、算定表での養育費の相場は12万~14万円となります。

算定表での養育費の相場

この場合の妻の家賃は、裁判所が適用する統計資料上、約2万円です。

よって、12万~14万円-2万円=10万~12万円を支払うのが相当と考えられます。

養育費から家賃を引いた残りの支払い

実際の住宅ローンの支払額が月20万円である場合でも、その全額を養育費の支払いと考えて差し引く方法はあまりとられません。

養育費を支払う側の家のローンを自身が負担している場合

養育費を支払う側の家のローンを自身が負担している場合

養育費を支払う側が、自分自身の住んでいる家の住宅ローンの支払いをしているというケースもあります。

このような場合には、原則、住宅ローンを支払っているという事情は考慮されず、養育費を減額することも不可能です。

なぜなら、養育費を支払ってもらう側の住宅ローンの負担が減らないからです。

養育費を支払う側にとって、住宅ローンの支払金額の負担が大きい場合には、住宅ローンを考慮しないで算定表から養育費を算出しようとすると、原則として住宅ローンの支払いが考慮されないとしても、養育費の支払いが困難となってしまうおそれもあります。

このような場合には、ローンの組み替えをしたり、住宅ローンを支払っている住宅自体を売却したりするという方法をとらなくてはいけなくなってしまいます。

養育費を支払ってもらう側が、住宅ローンの連帯保証人等になっている場合には、養育費を支払う側が住宅ローンを滞納してしまうと、養育費を支払ってもらう側が住宅ローンを請求されることになります。

そうなると、住宅ローンの支払いをしてもらうために、養育費を減らすことを考えなくてはなりません。

養育費を支払う側が家賃を負担している場合

養育費を支払う側が家賃を負担している場合

例えば、婚姻期間中に、家族で住むマンションを夫名義で借り、離婚後に妻子のみがそのマンションに住み続けるケースがあります。

このような場合で、離婚後も養育費を支払ってもらう側の妻と子が住んでいるマンションの家賃を、養育費を支払う側の夫が支払っている場合、算定表で計算した養育費から家賃の全額を差し引き、養育費を減額します。

妻が年収300万円、夫が年収1,100万円で、10歳の子供が1人いる場合には、算定表での養育費の相場は12万~14万円となりますが、月14万円のマンションに住んでおり、妻が夫に離婚後も家賃を負担してもらっている場合には、養育費はゼロになってしまいます。

このような事態が起こる理由として、家賃の場合には、住宅ローンの場合と異なり、より安い賃料の家へ転居できる可能性があることや、賃料を支払っても住宅の所有者となれない(財産形成につながらない)ということが考えられます。

しかし、より安い賃料の家へ転居が難しい事情があった場合、離婚原因が相手方の不法行為であるという理由があれば、家賃を養育費から全額差し引かないケースも考えられます。

算定方法の見直しについて

最高裁の司法研修所は、養育費や婚姻費用についての算定方法を、現代の社会情勢の変化を踏まえて変更することを発表し、新たな算定表を公表しました。

以前の算定表は、養育費も婚姻費用も金額が低すぎるとの意見が多かったことから、新しい算定表では、夫婦の収入によって養育費や婚姻費用が増額される可能性が高くなります。

また、離婚訴訟で養育費を決める場合に、夫婦の収入と子供の年齢・人数ごとの養育費の目安がわかる表を用いる簡易算定方式が主流です。

しかし、この算定方式だと、夫婦の収入の合計から生活に必要な費用を差し引いた基礎収入として養育費を算出しており、基礎収入自体が総収入よりも低いため、養育費も低くなってしまうという点がありました。

そこで、日本弁護士連合会が新たに独自で作成した算定方式を発表し、総収入から差し引く生活に必要な費用に家賃や保険料は含めず、以前の算定方法よりも養育費を高く算出することのできる算定方法となりました。

また、住宅ローンや家賃を負担しているうえ、養育費も支払うとなると負担が大きくなるという方も少なくはありません。

住宅ローンや家賃と養育費について何か不安がある場合には、早めに弁護士に相談することで、妥当な養育費を計算してもらうことができます。

まとめ

今回は、住宅ローンがある場合、養育費がどのように影響するかについてご説明しました。

養育費には住居費も含まれていますが、住居費は統計学的な数字であるため実際の住宅ローンや家賃とは差があり、このような差額分は、養育費に考慮してもらえる可能性があるのです。

一方で、養育費は子供のために支払われるお金であるという性質から、住宅ローンや家賃の負担が大きいことを理由に、養育費をゼロにすることはほぼ不可能と考えられます。

新たな算定方法も公表され、今後は母子家庭の貧困を解消できるような養育費の算定が期待できます。

離婚は大半の人には初めてのことで、心配で相談することすらどうしたら良いのかわからない方もいらっしゃると思います。
また離婚は夫婦ごとに個別事情ですので、 インターネットで調べても、自分自身にあっているのか? ケースでどうするのか?正解かを理解することは難しいです。 弁護士が離婚までの壁を解決いたします。

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